自分の身の丈より
ちょっとイイものを大事に使う
すると
自分もそれに相応しくなってゆく

愛用品とは
大きめの植木鉢のようなものです


 ペン 
 時計 
 コンピューター 
 鼈甲モノ 
 眼鏡 
 外出用品
 

 


万年筆  Mont Blanc "Friedrich Siller"
ボールペン Mont Blanc "Marcel Proust"

物書きにとってペンは武家の大小、ヴォータンの槍(*)です。
自らの言葉への責任と自負の証として、私はこの金・銀の二本を挿しています。

万年筆のシラーはキャップが琥珀、ペン先には「ウイリアム・テル」からの石弓のモチーフが刻まれています。プルーストのボールペンは純銀の八角形の軸にアールヌーボーの植物文様が描かれています。

もちろん手紙や書類はこの二本を用いて書きますが、原稿をキーパンチで書く場合、キーボードのファンクションキーの上に万年筆を置くのが私のmacでの執筆作法となっています。 象徴的なものではありますが、それは私にとって一寸大切な儀式です。

 
(*)ヴォータンの槍=ワグナーの楽劇『ニーベルングの指輪』に登場する大神ヴォータンが持つ、その神権を担保する槍。その槍に刻まれた神聖な契約の文言を守ることによって、ヴォータンは神たる資格をもつ。


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 コンピューター 
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OMEGA "30mmキャリバー" Cal.269 18KPG (1963年製)
オリエント "GRAND PRIX 64" (1964年製)

王様が「暦」を以て王国を支配するように、持ち主自らがゼンマイを巻くことで時を刻む機械式時計は、自分の時間の所有権を宣言するための重要なアイテムです。

"30mmキャリバー"はスイス時計の登竜門、天文台クロノメーターコンクールにおけるオメガの栄光の記録を樹立し続けた伝説的な名機です。コンクールの規定30mmギリギリのサイズ設計であったため、この機械はこう呼ばれます。
機械もさることながら、この時計は文字盤のデザインが実にシンプルで、白皙のフェイスに植字のインデックス、十字線のみで表現されたスモセコ窓、外周ギリギリにまでぴんと伸びた長剣と、パテックにも劣らぬ 洗練された美しさを持っています。

"GRAND PRIX 64"は、国産時計業界の異端児と言われるオリエントが1964年、東京オリンピックを記念して64個のルビーを使って制作した歴史的な異色作です。 機械式時計はルビーなどの石を嵌め込んで歯車の軸受けの摩耗を防ぐのですが、だいたい15〜23個の石数が一般 的です。
この時計は高度成長期の「石が多い時計が高級品」という風潮の中に生まれた、『愚行』あるいは『多石化競争時代のアダ花』という風に語られる場合が多いのですが、それは現代からの、あまりにも愛のない視点の様に私は思います。
確かに「石数=ランク」という認識は現代においてはナンセンスな事ですが、「もはや戦後では」なくなって十年、経済成長や科学技術の進歩に明るい未来を描いていた時代、わが国初のオリンピックを迎え、未来への夢と楽観の絶頂・大阪万博を目前にした当時、この時計がどれほどの希望をもって作られ、人々にどれだけ夢や憧れを与えたか、私はそこにとめどない愛しみを感じてなりません。

石数を求めた国産時計の進歩の道は間違った道であったのかもしれません。 しかし、当時の人々が夢に描いていた輝ける未来の残映は、この過去の時計の機械の中に、確かに存在するのです。

 


 
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iMac

この写真を見て「おや?」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
トップページの写真と機種が変わっています。

トップページのパソコンは同じくMac、通称「黒Mac」と呼ばれたPaforma5420というクラッシックなパソコンです。
極端にサイクルの早いパソコン世界にあって、八年間もの長きに渡って私を支えてくれた愛機でしたが(メモリはもちろん、ハードディスク交換、CPUアクセラレータカードの増設など、かなり手を加えながらの使用でした)、MacOSX、USB・FireWire端子の世となってはさすがにマシンパワーの限界を感じ、先日とうとう押入に勇退、この新しいiMacへとデスクを譲りました。
− Windowsの世だからWindowsに…とならないところが、古参のMacユーザーの悲しさです(笑)。

新iMacはさすがに最新機種だけあって、パソコンでやりたいと思う大抵のことが出来ます。
ポートの関係で今まで増設できなかったクラゲ形スピーカーiSubやオーディオのボリュームつまみのようなコントローラーPowerMateなどの周辺機器を揃え、今までの「黒」とは違ったクリアなiMacのデザインに合わせ、ガラス器に入れた毬藻や造花スイレン、ガリレオ温度計など、「透明で繊細なメカニーク」というコンセプトでデスク周りの模様替えもしました( なんとなく Boris VIANの小説「L'ecume des jours(うたかたの日々)」を彷佛とさせるイメージに仕上がった様に思います)。

パソコンは個人が持てる最も便利な道具、究極のパーソナル・ツールでしょう。
願わくは、これ以上便利なものが出来ませんように。


(老兵への感謝と敬愛を込めて、トップページの写真は当分黒Macのままにしておこうと思います)


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