アンティーク時計との付合い方 / アンティークウォッチ・ボタン

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  アンティーク時計との付合い方  
 



 元来腕につける「腕時計」として設計されていますから、アンティークとはいえ過度に神経質に、精密機器を取扱うような細心の注意を常に時計に傾け続ける必要はありません。

 しかし、オーナーの愛情とみずからのメカニズムだけを頼りに、長い年月、刻一刻と時を刻み続けてきたアンティーク時計は「脆弱」ではなくとも「繊細」であることに違いありません。

 あなたの時間の伴侶となったマスターピースに、これからも末永く美しい時を刻ませ続けるため、新たな「時間のオーナー」として、以下のような愛情を時計に注いでくださいますことをお願いいたします。


 

 

 

ゼンマイは定期的に巻き、トルクを強くしてあげること

 



 機械式の時計は手巻き、自動巻きともにゼンマイのトルクが動力源となっています。ゼンマイは大抵、二日間前後の動力を保てるつくりになっていますが、ゼンマイがほどければほどけるほど(トルクが弱くなるほど)腕の動きによって生じる「姿勢差」による影響を受けやすくなり、巻ききったトルクの強い状態に比べて、理論的に動力の安定性が弱まってしまいます。

愛用タイプのオーナーの場合
 ですので、毎日アンティーク時計を伴侶とされるオーナーは、トルクが弱まり始める前に、一日一回、定期的にゼンマイを巻き上げ、時計に元気よく時を刻ませてあげられることをお勧めします。
  トルクの問題だけではなく、古き良き時代のように、毎朝時計のゼンマイを巻く事を儀式のように習慣づけることによって時計への愛情もより深ま
ることと思います。また、ゼンマイを巻く都度に時間を設定されることもお勧めします。(一般的にアンティーク時計の日差は一日に±3分以内程度が許容範囲とされています。時間の設定の間隔が短ければ短いほど誤差は小さく出来ますので、少なくとも一日一度は微調整をしてあげて下さい)


愛蔵タイプのオーナーの場合
 毎日ではなく特別な時にアンティーク時計を伴侶とされるオーナー、あるいは、コレクションとして時計を愛されるオーナーの場合も、機械式時計は動かさないで温存するより、歯車を回転させて
オーバーホール時のオイルをムーブメント内に飛散させることによってより良いコンディションを保つことが出来るものですので、少なくとも月に一回程度はゼンマイを巻き、時計に時を刻ませてあげることをお勧めします。


自動巻きのゼンマイ
「自動巻き」はローターの回転や振りによってゼンマイを巻き上げる機構ですが、トルクが弱い状態よりも強い状態の方が動力として理想的ですので、手巻きムーブメントの場合と同じく、定期的にゼンマイを巻き上げてください。自動巻きの場合ゼンマイの「巻き止まり」がありませんが、おおよそ20巻き程度が最大トルクの目安です。本来の自動巻きの利点は、ゼンマイを自動で巻き上げてくれることではなく、トルクの弱まりを最小限に抑えてくれるということだとお考えください。

 

 

 
  リュゥズはオーナーとムーブメントのホットライン  
 



 時計の動力源であるゼンマイを巻き上げ、また、時間を設定する「リュゥズ」は、時計のムーブメントと外装をつなぐ最も繊細な部分です。リュゥズを触ることによってオーナーは時計の内部構造に指示を直接与えることになりますので、ケースから出っ張っているこのパーツこそ外装上の心臓部だとお考えください。

●ゼンマイを巻くとき
 自動巻きの場合スリップするので安心ですが、手巻きの場合「巻き止まり」があります。巻き止まった状態でそのまま強い回転をかけてしまうと、ゼンマイを巻き切ってしまう危険がありますので、巻く回数を重ねるごとに少しづつ巻く力を弱め、優しく巻き止めることができるように力加減をしてあげてください。

● 時間を設定するとき
 リュゥズを引き出し、浮き上がった状態のリュゥズを回転させることによってアナログ時計は時間を設定しますが、リュゥズを引くとき、力任せに引っ張らないようにくれぐれもご注意ください。カンヌキという大変小さな部品でリュゥズ(巻き芯)は留められているので、力いっぱい引っ張ると巻き芯が抜けてしまうことがあります。
 リュゥズを引き出すときは時計を腕から外し、片手で時計をしっかり押さえ、もう一方の手で慎重に、ゆっくりと引き出すようにしてあげてください。(万が一巻き芯が抜けてしまった場合は無理に押し込もうとせず、すみやかに当店にリペアに出してください)

● カレンダーのあわせ方
 リュウズが二段引きではない場合、時計の針を午後9時から午前1時までの辺りでゆきつもどりつさせることによってカレンダーを早送りすることが出来ます。ほとんどのアンティーク時計のカレンダー設定はこの方法によって行われます。

 

機械式時計が苦手なもの

 



アンティーク機械式時計の一般的な注意点として、以下の点には特にご注意ください。 

●磁気帯び
 アンティーク、現行品に関わらず機械式時計の歯車は磁気を帯びると機能に支障をきたしてしまいます。テレビやスピーカー、コンピューター機器の上など、磁界を生ずる場所に放置・保管されないようご注意ください。

●振動

 日常生活レベルでは問題はないと思われますが、テニスなどの腕を激しく振る運動や、その他スポーツをされるときなどは腕からはずされることをお勧めします。

●水滴・湿気
 アンティーク時計は基本的に非防水とお考えください。水作業をされるときには腕につけぬようにし、普段腕からはずした後も、乾いた布などで汗をふき取ってあげるようにしてください。


 
  高級機械式時計ならではの愉しみ  
 


●整備
 機械式時計は歯車とテンプのメカニズムによって時を刻んでいるものですので、車と同じく定期的な分解掃除・注油・整備(オーバーホール)をする必要があり、また、それによって愛用の時計のコンディションを保つことが高級時計オーナーの愉しみの一つでもあります。一般的にオーバーホールの頻度は2〜3年に一度が理想的といわれていますが、使用状況や個体差などによって理想値の幅がありますので、期間の短い長いにこだわらず「調子が悪いかな?」と思った時、すみやかに整備に出していただくことが肝心かと思います。


●消耗部分

 使い捨てではなく、半永久的な愛用を前提に造られた高級機械式時計は、修理と消耗品の交換の手をかけながら末永く後代に伝えることのできるものです。 そのような長期的な時間概念をもつアンティーク時計において、バンド(ベルト)、リュウズ、風防、ゼンマイ、パーツは一般的に消耗部分と考えられています。それら消耗部分のケアをしながら大切に使い続けていただくと、機械式時計は半永久的に時を刻み続けることが出来ます。


  当店では特にオーナー優待の特別価格にて整備・修理をお受けしております。詳しくは「オーナー専用ページ」をご覧下さい。